retired operator's blog

retied operatetor's blogは、中途退職自衛官が自身の特殊な経験から、現役自衛官、または自衛官を目指す方々へ役立つ情報を提供するブログです。

今年は10周年です。

こんにちは。

中途退職自衛官です。

 

昨年の9月に「毎年、9月11日が来ると思い出すこと。」という記事を書きました。

記事の内容が気になる方は、ぜひ以下のリンクからご覧ください。

 

retiredoperator.hatenablog.com

9月11日は忘れることのできない日ですが、毎年5月になると、自然に思い出したり、ニュースやSNS によって、思い出されることがあります。

感の良い方は既にわかっているとは思いますが、10年前の5月1日は、米国の統合特殊部隊によって、Usama bin Ladin (UBL)がパキスタンで殺害された日です。

 

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出典:https://www.businessinsider.com/situation-room-bin-laden-raid-2017-5

 

今年はインターネットでニュースを見ていたら、アメリカのFOX Newsで、UBLを直接殺害した元隊員が、話をしていました。

 

動画は以下のものです。

 

www.youtube.com

彼は元米海軍特殊部隊出身のRobart O'neill氏です。Seal Team2を経て、Team6で任務を行っています。Seal Team6は、陸軍特殊部隊では、Delta Force/Combat Application Group (CAG)に相当し、Development Group(DevGru)とも呼ばれています。

 

Delta Force/Combat Application Group (CAG)の隊員について、過去に記事を書いていますので、気になる方はどうぞ。

retiredoperator.hatenablog.com

UBL殺害の作戦、Operation Neptune Spearについては、現在インターネットで情報を得られますし、O'Neill氏を含め数人の隊員、作家が本を書いています。

 

一番初めに出版された本は「No Easy Day」です。

 Mark Owen(偽名)氏が書いていますが、のちに米国防省の検閲を受けずに出版したため、罰金刑をもらっています。

 

日本語版も出版されているようなので、日本語で読みたい方は以下からどうぞ。

自分はいつも書いていますが、可能であれば英語で読んで、英語に慣れることをお勧めします。

著者はO'Neill氏同様、Team6の隊員であったため、隊員目線で話が書かれています。

 

次に出版された本は作家Mark Bowden氏の「The Finish」です。

 


 

 著者の名前を聞いて、ピンと来た人もいるかもしれませんが、Bowden氏はBlack Hawk Downの著者でもあります。

The Finishは隊員目線ではなく、より政治、戦略レベルの内容になっています。

 

そして、O'Neill氏の「The Operator」です。

 


 

 この本も、隊員目線で書かれており、自分の個人的な意見ですが、隊員目線で書かれた内容の方が話内容、作戦の状況が理解、イメージしやすいです。

 

CIAの分析官が主役となっていますが、映画「Zero Dark Thirty」もアメリカ政府がUBLを探し出す様子をイメージしやすいものとなっています。

 

www.youtube.com

ちなみに、Zero-dark-thirtyの意味は、深夜(00:00)を過ぎた時間帯、「未明」という意味です。

 

O'Neill氏は、多数のニュース等のメディア、Youtubeに出演しており、Operation Neptune Spear以外の話の話も非常に興味深いです。

 

9.11の首謀者であったUBLを見つけ出し、殺害(実際には捕獲または殺害の任務でした)までに、どれだけの時間と資源を投入し、国家として成し遂げたかが(公になっており)理解しやすい事例のひとつだと思います。

 

日本政府にも、これくらいの気概をもって、未だ日本へ帰国できない拉致被害者の方々を救出する意思を示して頂きたいです。

 

 今回もありがとうございました。

 

特殊作戦群を理解するためのヒント(Podcast編)#2

こんにちは。

中途退職自衛官です。

 

今回は、聴くことによって、特殊作戦、または特殊作戦群を理解するためのヒントとなるPodcastについて、書こうと思います。

 

Podcastがどのようなものかについては、以前書きましたので、詳しく知りたい方は以下の記事をご確認ください。

 

retiredoperator.hatenablog.com

 

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出典:https://podcastranking.jp/1541155036

 

目 次

  1. SOFcastとは
  2. SOFcastのホストとゲスト
  3. 内容・話題
  4. 英語の勉強として
  5. 余談

 

1.SOFcastとは

今回おすすめするPodcastは、SOFcastです。昨年から開始された比較的新しいPodcastです。自分は数か月前にインターネットで見つけて、たまに聴いています。

他の特殊作戦に関するPodcastと違う点は、米国特殊作戦コマンド(USSOCOM)が公式に配信している点です。

他のPodcastは個人や団体がプライベートで配信していますが、SOFcastはUSSOCOMが公式に作成して、配信しています。

 

SOFcast

SOFcast

  • US Special Operations Command
  • Government
  • USD 0

podcasts.apple.com

 

2.SOFcastのホストとゲスト

ページの概要欄にも書かれていますが、SOFcastのホストは、現役のUSSOCOMの上級下士官 Command Chief Master Sergeant (CCM) Greg Smith (空軍特殊部隊)と Sgt. Major Matt Parrish(陸軍特殊部隊)です。

またゲストとして、このPodcastで話しているのは、陸軍のグリーンベレーだけではなく、レンジャー、海軍のシールズ、海兵隊のレイダース(海兵隊特殊作戦部隊)、空軍特殊作戦部隊、パイロット、メディック等も含まれています。

 

3.内容・話題

毎回、トピックや話題が呼ばれているゲストによって違っていますが、大まかには彼らの経験や視点から、その時のトピック(リーダーシップ、チームワーク、兵士の健康等)について意見を言ったり、議論をしています。

オフィシャル(公式)のPodcastではありますが、それぞれが各人の視点から意見を述べ、議論している点は、日本やアジアにはない良い点であると、自分は思っています。

日本の公的組織、自衛隊では、このような場合、決められた事を話すように指示され、複数の士官や下士官が自らの意見、見解を言ったり、議論したものをPodcastで配信することはしないでしょう。

自分の個人的な意見ですが、国柄もありますが、米国軍は階級に関係なく、士官、下士官、兵士、各人が自らの経験から得た視点で、様々な考え方を建設的に議論できる組織、また、そのような議論ができる人間を育成できる組織であり、素晴らしいと思います。

米国軍人全てがそうであるとは思っていませんが、自分の彼らと接した経験から言わせてもらうと、日本人よりは自分の意見を持ち、しっかり主張する人間が明らかに多いと思います。

申し訳ありません。話が少し脱線してしまいました。

 

4.英語の勉強として

SOFcastは他の特殊作戦系Podcastに比べて、公式なものであるため言葉使い、話し方がよりプロフェッショナルというか、スラングや汚い言葉使いが少ない、またはないです。

面白おかしく話す雑談とは違って、より正式、公式な場での英語の言葉使いが聴けるのではないでしょうか。

米軍は言葉の短縮形(アブリビエーション)をよく使用しますが(例えばSpecial ForcesをSF、Military Occupational SpecialtyをMOSと言います)、一般の視聴者のために、アブリビエーションの説明を加えたりもしてくれています。

自衛官に限らず、米軍、特に特殊作戦について知りたい方には、非常に良いPodcastだと思います。

 

5.余 談

本当に余談ですが、自分の知り合い(留学した時のクラスメート・同期生)がゲストとして呼ばれ、話をしているエピソードが1つあります。

題名から聴くエピソードを探している時に、彼の名前を見つけ、聴いてみるとその同期生に間違いありませんでした。

自分は彼が出演しているのエピソードを聴いて、彼が重要な役職についているのを知りました。

長い年月は経ちましたが、非常に誇らしく思い、併せてインターネット、Podcastというプラットホームを通して、彼の話を聞き事の出来る現在は素晴らしいと思いました。

 

日本ではあまり、軍事、特に特殊作戦について語られることはありませんが、海外では多くの情報リソースが存在しますので、興味のある方は是非探して、聴いてみると良いと思います。

 

ご質問(こういう事が知りたい)等ございましたら、コメント等いただけると、幸いです。

どうもありがとうございました。

 

選考検査・セレクションを受験するための準備

こんにちは。

中途退職自衛官です。

 

昨年の記事になりますが、Crisis Response Forces (CRF) / 危機対応部隊の記事を書いた際に、特殊作戦群の選考検査受験予定者の方から、選考検査に向けての体力錬成(トレーニング)について質問がありました。

 

実際の質問の内容はこちらからどうぞ。

retiredoperator.hatenablog.com

 

この質問に関しては、質問者の方に直接メールで回答いたしましたが、今回は選考検査受験、または特殊作戦部隊隊員となるためのトレーニングについて書こうと思います。

 

 

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出典:https://www.breachbangclear.com/i-failed-selection-and-its-one-of-my-proudest-accomplishments/

 

目 次

  1. 選考検査(セレクション)とは
  2. レーニン
  3. 一番大切な事

 

 

1.選考検査(セレクション)とは

受験者にとって、選考検査・セレクションがどうようなものであるか知る、また(勝手な妄想ではない)イメージがあることは重要だと思います。

 

選考検査によって受検者の何を検査・評価しているのか、どのように検査・評価が行われるのかを知らなければ、準備ができませんし、一生懸命トレーニングしても、求められている能力でなければ、努力が無駄になってしまうからです。

 

自分は選考検査が「どのように行われるか」、「どのようなものなのか」を直接的に述べるつもりはありませんが、今回はそれらをイメージするためのヒントを書いていこうと思います。

 

受験予定者の方の中には、過去の受験者から「どのような検査が行われていたか」等の情報を得られることもあると思います。このような、過去に実際受験した方からの情報もイメージする上でのヒントとはなりますが、受験者それぞれの印象や記憶は様々なので、あまり鵜呑みにすることはお勧めしません。

 

イメージする上でヒントとなるのは、海外の特殊作戦部隊がどのようにして隊員を選考しているかを知ることでイメージしやすくなると思います。

 

カリフォルニア州のナショナルガードがYoutube上にGreen Beretのセレクション動画(10年以上前のディスカバリーチャンネルのもの)を挙げていますが、選考検査をイメージする為にはいい動画だと思います。

 

www.youtube.com

チャンネル上に10分程度の動画が9本挙がっていますので、全く同じ検査内容ではありませんが、どんな事が受検者に求められているか等、参考になる部分もあると思います。

 

以下の動画は、オーストラリアのコマンドー連隊のセレクションの動画です。

 

www.youtube.com

この動画の中でも、セレクションの様子、なぜこのようなセレクションをするのか、どのような隊員を求めているのかが語られています。

 

2.トレーニン

では、実際どのようなトレーニングが必要なのでしょうか。

自分は直接的に「このようなイベントがあるから、こんなトレーニングをした方がいい」とは、言いません。

ですが、参考となる動画があったので、以下に挙げておきます。

 

youtu.be

この動画で言われていることが全てではありませんが、「重い荷物を背負って歩く」ことに関して、非常に参考になると思います。

レンジャー課程でも、重い背嚢(バックパック)を背負って歩くため、レンジャーを目指す方にも効果はあるのではないかと思います。

 

歩くこと以外にも、準備することはあると思いますが、海外のセレクションを見てイメージは出来たと思いますので、何かに偏ることなく、バランス良く鍛えてください。

個人的には、弱点を克服したほうが良いと思います。

 

3.一番大切な事

選考検査、セレクションに対する準備をするにあたって、大切なことは「怪我をしないこと」です。

怪我をしてしまうと、トレーニングをできなくなってしまう事はもちろんのこと、大きな怪我は、その後の生活や人生に大きく影響します。

また、怪我をしない意識、コツ(防ぎ方)は、能力や個人特性のひとつであり、兵隊として必要な能力であると、自分は考えています。

 

いくら身体的な能力が高い人であっても、いつも怪我をしている人はその能力を発揮する機会を失ってしまいますし、特に特殊作戦の任務においては、個人、または小部隊で行動するため、怪我をしやすい隊員は作戦遂行にも影響を与える可能性があります。

 

怪我をしないためにも、現在の自分の能力や体力を見極め、自分の限界を少し超えるようなトレーニングを継続しなければ、成長し続けることはできないでしょう。

 

筋トレにたとえると、40kgしか上げられない人が、いきなり必要だからと言って、100kgを上げることはできませんよね?まずは60,70,80,90kgと、段階的に上げないと、目標は達成できないと思います。

 

現在持っている個人の体力によりますが、最低でも半年から1年程度はトレーニングが必要になると思います。

 

もうすぐ5月ですので、既に前期の選考検査は始まっているかもしれませんが、今後受験を希望される方は、半年から1年後を見据えたトレーニングと準備をすることをお勧めします。

 

選考検査に限らず、ご質問等あれば、コメント等よろしくお願いします。

ありがとうございました。

英語について(個人的な経験と意見)

こんにちは。

中途退職自衛官です。

 

過去の記事「特殊作戦群って?」において、質問を頂いておりましたが、一か月以上気づいておりませんでした。大変申し訳ありません。

先日、質問について、答えられる範囲でお答えしましたので、興味のある方は、以下の記事をご覧ください。

retiredoperator.hatenablog.com

 

過去の記事「特殊作戦群って?」を読み返していて、「英語に関しては、また後で書きます」と書いていましたが、書いていなかったので、今回書こうと思います。

 

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出典:https://www.nytimes.com/2021/03/15/world/africa/mozambique-american-troops-isis-insurgency.html

 

目 次

  1. 軍隊における英語(外国語)の重要性
  2. 自分の英語に関する経験・背景
  3. 自分の英語に関する意見

 

1. 軍隊における英語(外国語)の重要性

自分が入隊した頃は、自衛隊国際貢献活動も少なく、現在と比較して、英語は重要視されていませんでした。

しかしながら、現在ではいくつかの国際貢献活動(海賊対処や国連平和維持活動)等は常に行われており、併せて米国軍以外との共同訓練等も増加しており、英語をはじめとして、外国語はかなり重要視されていると思います。

 

自衛隊と比較して、米軍、特に外国人、外国軍人と共に任務を行う、米国陸軍特殊部隊は特に(英語ではありませんが)外国語を重要視し、特殊部隊資格付与課程の中に外国語課程が含まれています。

 

Joint Special Operation Universityのレポート「Cultural and Linguistic Skills Acquisition for Special Forces: Necessity, Acceleration, and Potential Alternatives」において、

 

“Cultural Understanding and Language Proficiency” analysis proclaims that “lessons from recent and current operations reflect consensus” that culture and foreign language competencies for many military personnel are more than important—they are necessary for mission accomplishment (p.3).

 

(要約)「文化の理解、言語の能力は、多くの軍人にとって重要以上、任務達成に必要である」と述べられています。

 

実際のレポートは以下にリンクを貼っておきます。直接読みたい方はどうぞ。

https://www.socom.mil/JSOU/JSOUPublications/11-6_Final.PDF

 

自衛隊も、任務達成するために、現地の文化の理解、外国語、特に英語は重要だと思います。

 

2. 自分の英語に関する経験・背景

初めて英語を勉強したのは、中学校入学後、高校、大学等で留学の経験もありません。

いたって、ごく普通の日本人の英語との出会いと勉強開始の状況だと思います。

中学生になってから、洋楽に興味を持ち始め、歌の歌詞の意味が知りたくて、辞書を引いて、よく調べていました。

 

少し違うのは、生活環境、地域の特性上、高校からアメリカ人の友達ができましたので、実際に英語で話す機会は多かったと思います。

成人してからは、バー、クラブで外国人(ほぼアメリカ人が多かったですが。)と話して、仲良くなっては、友達を増やしました。

 

中学高校でやりなさいと言われた勉強は、しっかり終わらせて、それ以外特に余計な勉強は特にした記憶はありません。歌の歌詞の意味は、好んで調べていましたが。

ただし、洋楽の歌詞や興味のある英単語等は覚えられても、TOEIC等の勉強で必要な(自分にとって興味のない)英単語は覚えづらかったのを記憶しています。

 

3. 自分の英語に関する意見

自分は、第二言語習得の専門家ではありませんので、ここから書くことは、完全な自分の個人的な意見です。ご了承ください。

 

結論からいいますと、「英語を嫌いにならないこと」だと思います。

 

イヤイヤ英語の勉強していても、ストレスですし、長続きもしないと思います。好きな事、興味のある事に英語を関連させて、生活の一部とした方が長続きしますし、ストレスも少ないと思います。

 

自分の例を挙げると、

  • 聴く音楽は英語
  • 海外の雑誌(興味のあるもの)を読む
  • インターネットで見るニュース等の情報ソースは英語
  • 使用している携帯電話は英語表記に変更
  • 興味のあるPodcastYoutube(海外のもの)を見る
  • NetflixAmazon Prime等で海外の映画、ドラマを見る
  • 海外の学校(オンライン)で勉強する

などになります。

 

英語を話す子供たちの成長を見ていると、読み書きはできなくとも、会話やテレビ等の音源から英語を学び、少しづつ習得していると思います。

彼らは、文法も知らず、親や周りの人達との会話から、長い時間をかけて間違えながらも自然と、文法的な正解、不正解を判断するようになっています。

 

普段の生活の中(24時間)に、どれだけ英語を使用する、または英語に関わる時間を最大化することが鍵となると、自分は思っています。

自分は「勉強する」というより、「共に生活する」というようなイメージで、毎日の生活の中に(当初から全てを英語にすることはお勧めしませんが)組み合わせていくのが、英語を習得するためのポイントだと考えています。

 

現在、過去と比べてインターネットを利用すれば、世界中の情報、コンテンツにアクセスすることが可能ですので、英語に触れる時間を増やすことは簡単になっていると思います。

 

自分の個人的な経験から感じた英語習得に関する意見ですが、読んでいただき、ありがとうございました。

 

Retired Green Beret talked about Japanese Special Ops / 元グリーンベレー隊員が日本の特殊作戦部隊を語る

どうも、中途退職自衛官です。

 

以前紹介したThe Team HouseのPodcastを聞いていて、元第一特殊作戦群の士官が特殊作戦群の話をしていたので、急遽記事を書くことにしました。

 

The Team Houseについての記事はこちらからどうぞ。

 

retiredoperator.hatenablog.com

この記事の中に書きましたが、The Team HouseはYoutubeのチャンネルも配信していますので、そちらでは、字幕を出すことも可能だと思います。

 

今回の記事の本題ですが、今回のゲストLino Miani氏が本編の中で特殊作戦群との関わりについて話しています。

自分は、Podcastの説明欄にあった、

 

"Lino had a fascinating Special Forces career fighting the part of the war on terror you probably never heard about. From Japanese Special Ops, to classified intel missions in Chad, to rubbing shoulders with Norway's elite".

 

とあるのを読んで、「えっ、何の話!? この人は誰?」と思い、早速聞いてみました。

 

www.youtube.com

 

ここで、内容の多くを語る気はありませんので、興味のある方は是非聞いてみてください。

 

特殊作戦群以外の話も、非常に興味深いです。

 

SNSが発達して、元隊員、関係者が語ることがなくとも、このような形でアメリカから情報が流れることは、これからも多くなるかもしれませんね。

 

長めの記事が書けない時は、このような短い、速報的な記事も書いていこうと思います。

 

ご意見、ご感想等あれば、コメント頂けると幸いです。

 

ありがとうございました。

 

特殊部隊における格闘技術について

どうも。中途退職自衛官です。

 

以前の投稿記事で質問を募集したところ、「特殊部隊の格闘技術と、その必要性について知りたい」という、ご質問をいただいたので、今回は特殊部隊における格闘技術について書きたいと思います。

 

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出典:https://www.businessinsider.com/green-berets-army-special-forces-intelligent-well-trained-deadly-2013-3#or-breaching-and-clearing-rooms-19

 

目 次

1.軍隊における格闘技術の必要性

2.自衛隊における格闘

3.特殊作戦群の格闘

4.海外の特殊部隊の格闘

5.部外からの格闘講師

 

1.軍隊における格闘技術の必要性

特殊部隊に限らず、軍隊、自衛隊において格闘技術は重要視されていると思います。

その理由として、過去の戦争、軍事作戦に比べて、現在では非対称戦、対テロ作戦等、市街地での戦闘、室内における戦闘の機会が増えることによって、脅威、敵との距離が近く兵士が敵と至近距離で戦う(近接戦闘)場面がより多く想定されるためです。

兵士は基本、ライフル、拳銃等の武器を携行していますが、何らかの理由によって使用できない場合も想定され、徒手による格闘技術を基本として、自衛隊を含む世界の軍隊が訓練を行っています。

 

2.自衛隊における格闘

以前は、徒手格闘銃剣格闘という2つのカテゴリーに分けられ、型の練習や、検定を行っていましたが、現在では徒手技術・武器技術というカテゴリーで訓練体系も大幅に変更されています。

自分は新しくなった格闘を、通常の部隊で経験していないので、どのレベルの検定(型のみ、試合形式等)を毎年受験しなければならないのかわかりませんが、以前より近代的な防具、模擬の武器もあり、実際のボディーアーマー(防弾ベスト)等の装備を着用して検定や訓練をしているのを見たことがあります。

自衛官は、どの職種の部隊であっても、格闘訓練を実施し、検定を受験し、(体力検定のように)示された級の合格を求められているはずです。

 

3.特殊作戦群の格闘

特殊作戦群であっても、格闘訓練はありますし、検定もありますが、通常の部隊のものとは全く同様のものではありません。

自衛隊の格闘技術を基礎として実施しますが、作戦を実施する隊員に必要と考えられている目標設定に沿って構成されています。

特に初代群長である荒谷卓氏は、武道の達人であり、その影響を大きく受けており、通常の自衛隊格闘と違う部分もあります。

初代群長は現在、三重県「熊野飛鳥むすびの里」という団体を創設し、様々な活動、講習を行っています。

 

www.youtube.com

動画で、刀を振っていますが、これらは実際の真剣だと思います。

一歩間違うと大怪我ですね。

荒谷群長からは、格闘(武道)を教えていただく機会もあり、真剣を振らせていただいたこともありますが、初めての時はその鋭さと重さから、すごく緊張したのを覚えています。

 

いきなり本物の刃物で訓練することは、非常に危険ですので、訪問者様がもし訓練したくなった場合には、初めはトレーニングナイフなどの訓練用品を使用することをお勧めします。

日本でも購入できるものがあるので、紹介しておきます。

 


 

 


 

訓練用ナイフには、ゴムまたはプラスチック製のものがありますが、金属製のものの方が、取り上げたりする際にも曲がることがなく、より実際的な訓練が可能になります。

 

 

初代群長から、日本古来の武道の理念、考え方、精神、マインドセット等、格闘技術だけではなく、現代の戦闘にもつながる、大切なことを教えていただきました。

 

4.海外の特殊部隊の格闘

海外の特殊部隊でも、格闘訓練は実施されています。

特にアメリカでは、かなり前から体系化され「Combative(コンバティブ)」と呼ばれています。

また、米国特殊部隊では、Special Operations Combative Program(SOCP)と呼ばれ、陸軍特殊部隊以外の部隊でも実施されています。

 

www.youtube.com

こちらは、海兵隊Force Reconの動画です。

 

www.marines.mil

 

海外の特殊部隊も、対テロ作戦等において、市街地での戦闘、室内における戦闘、近接戦闘を想定しているため、通常の部隊より格闘を重要視し、訓練を行っています。

彼ら隊員の中には、日本の武術、武道、武士道等に非常に興味を持つ隊員が多くおり、それらについて様々な質問をしてきたり、実際に自国内で習っていたり、稀には日本に来て習っている隊員もいます。

 

5.部外からの格闘講師

特殊部隊では、専門家等を講師として招き、より高度な技術や知識を学ぶ機会があったりしますが、格闘においても同様に部外から元プロの格闘選手や講師を招いて講習を受講することがあります。

 

米国陸軍特殊部隊(第1特殊部隊群)では、ホイス・グレーシーをゲストとして迎えて、MMA形式の競技会を実施したりしています。

 

www.army.mil

この大会とは別ですが、ホイス・グレーシーは沖縄での格闘競技会にも招待され、来日しています。

 

特殊作戦群でも、元プロの格闘家や、様々な技術を持った講師を招き、講習を受けています。最近、Youtubeにも登場している、稲川義貴氏もその一人です。

 

www.youtube.com

個人の名前を挙げるつもりはありませんでしたが、稲川氏本人も初代群長との関係について言及されているので、紹介することにしました。

 

荒谷氏、稲川氏の2人は、様々な活動、講習等されていますので、ご興味のある方は参加されてもいいのではないかと思います。

 

musubinosato.jp

www.zerorangecombat.com

 

ご質問等あれば、コメント等頂けたら幸いです。

今回もどうも、ありがとうございました。

 

Crisis Response Forces in U.S. Army Special Forces / 米国陸軍特殊部隊 危機対応部隊

こんにちは。中途退職自衛官です。

 

今回は前回の記事に書きました、グリーンベレーの中でも更に特殊な任務を持った部隊Crisis Response Forcesについて説明します。

 

前回の記事を読まれていない方は、ここからどうぞ。

retiredoperator.hatenablog.com

目 次

1.任 務

2.編 成

3.能 力

4.呼称について

5.CRF存続の危機

 

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1.任 務

特殊な任務を持った部隊と言っても、他の部隊と全く違った任務を持っているという訳ではなく、ある任務に特化した部隊と言ったほうが正しかもしれません。

その部隊は、Crisis Response Forces (CRF)と呼ばれ、 Direct Action (DA)、Counterterrorism (CT)、及び Hostage Rescue (HR) に特化した編成、能力、装備等をもっています。

通常、グリーンベレーはUnconventional Warfare (UW), Foreign Internal Defense (FID), Special Reconnaissance (SR), Direct Action (DA), Counter-Terrorism (CT), Combat Search and Rescue (CSAR), counter-narcotics, counter-proliferation, Hostage Rescue (HR)等の幅広い任務を付与されていますが、CRFはそのうちのDA、CT、HRに特化しているということです。

 

2.編 成

各(1、3、5、7,10)Special Forces Groupの中の1コ中隊がCRFとして指定されており、他の中隊とは違った編成となっています。

各グループは、アジア、中東、アフリカ等の担任地域を指定されており、各担当地域内に所定の時間で展開できるよう待機しています。

通常、各小隊(ODA)は、潜入方法等の専門的な能力で分けられていますが、CRFでは、他の中隊とは違った彼らの任務に特化した編成となっています。

10年以上前は、日本とドイツに駐在する1コ中隊のみがCRFとして指定されていましたが、10年くらい前から、各群全てがCRFを持つようになりました。

 

3.能 力

CRFの能力についても、編成同様、Direct Action (DA)、Counterterrorism (CT)、及び Hostage Rescue (HR)に対応できるよう、隊員たちは皆、Special Forces Advanced Reconnaissance, Target Analysis, and Exploitation Techniques Course (SFARTAETC)、Special Forces Sniper Course (SFSC)の資格、能力をもっています。

簡単に言うと、突入と狙撃の能力を持っているということです。

他のODAにも、これらの能力を持った隊員は多くいますが、CRFのODAにおいては、これらの資格を持っていないと所属できないということになります。

 

4.呼称について

現在CRFと公式に呼ばれていますが、以前はCIF (Commanders In-extremis Force)と呼ばれていました。ですから、いまだにCIF(シフ)と呼んでいる人がほとんどだと思います。

デルタフォースと呼ばずに、キャグ (CAG/Combat Application Group)と呼ばれているのと似た感じですね。

特に現場の兵士たちで使用される言葉では、様々な呼称・略語を使用するので、会話する際には注意していないと、何のことだかわからなくなってしまいます。

 

5.CRF存続の危機

今年の初めに、CRFを解体しようとする話が、エスパー前国防長官からありましたが、ミリー統合参謀本部議長がCRFの必要性等を訴え、今のところ解体されることはないようです。

エスパー氏は解任され、以前の記事にも書きましたが、国防長官代行は現在、特殊部隊出身のミラー氏となっています。

 

retiredoperator.hatenablog.com

ちなみに、ミリー統合参謀本部議長も特殊部隊出身の将軍です。

先日、Army Navy game(アメリカン・フットボールの試合)に大統領と共に出席していましたが、グリーンベレーをかぶっていましたね。

 

 

www.youtube.com

 

動画では、奥にミラー国防長官代行、手前にミリー統合参謀本部議長が映っています。

 

米国の軍事、安全保障に関わる主要な役職に特殊部隊出身者が任命されているところを見ると、自分の直接的な知り合いではありませんが、非常に誇らしく思いますし、頑張っていただきたいと思ってしまいます。

 

 

 

記事の内容は、いつも思いつきや、話題になっている事柄から関連させて書いていますが、もし読者の皆さんが知りたい内容等が有れば、コメント等いただけると、内容によっては書ける事もあると思いますので、ありがたいです。

 

今回も、ありがとうございました。

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