Crisis Response Forces in U.S. Army Special Forces / 米国陸軍特殊部隊 危機対応部隊
こんにちは。中途退職自衛官です。
今回は前回の記事に書きました、グリーンベレーの中でも更に特殊な任務を持った部隊Crisis Response Forcesについて説明します。
前回の記事を読まれていない方は、ここからどうぞ。
retiredoperator.hatenablog.com
目 次
1.任 務
2.編 成
3.能 力
4.呼称について
5.CRF存続の危機
1.任 務
特殊な任務を持った部隊と言っても、他の部隊と全く違った任務を持っているという訳ではなく、ある任務に特化した部隊と言ったほうが正しかもしれません。
その部隊は、Crisis Response Forces (CRF)と呼ばれ、 Direct Action (DA)、Counterterrorism (CT)、及び Hostage Rescue (HR) に特化した編成、能力、装備等をもっています。
通常、グリーンベレーはUnconventional Warfare (UW), Foreign Internal Defense (FID), Special Reconnaissance (SR), Direct Action (DA), Counter-Terrorism (CT), Combat Search and Rescue (CSAR), counter-narcotics, counter-proliferation, Hostage Rescue (HR)等の幅広い任務を付与されていますが、CRFはそのうちのDA、CT、HRに特化しているということです。
2.編 成
各(1、3、5、7,10)Special Forces Groupの中の1コ中隊がCRFとして指定されており、他の中隊とは違った編成となっています。
各グループは、アジア、中東、アフリカ等の担任地域を指定されており、各担当地域内に所定の時間で展開できるよう待機しています。
通常、各小隊(ODA)は、潜入方法等の専門的な能力で分けられていますが、CRFでは、他の中隊とは違った彼らの任務に特化した編成となっています。
10年以上前は、日本とドイツに駐在する1コ中隊のみがCRFとして指定されていましたが、10年くらい前から、各群全てがCRFを持つようになりました。
3.能 力
CRFの能力についても、編成同様、Direct Action (DA)、Counterterrorism (CT)、及び Hostage Rescue (HR)に対応できるよう、隊員たちは皆、Special Forces Advanced Reconnaissance, Target Analysis, and Exploitation Techniques Course (SFARTAETC)、Special Forces Sniper Course (SFSC)の資格、能力をもっています。
簡単に言うと、突入と狙撃の能力を持っているということです。
他のODAにも、これらの能力を持った隊員は多くいますが、CRFのODAにおいては、これらの資格を持っていないと所属できないということになります。
4.呼称について
現在CRFと公式に呼ばれていますが、以前はCIF (Commanders In-extremis Force)と呼ばれていました。ですから、いまだにCIF(シフ)と呼んでいる人がほとんどだと思います。
デルタフォースと呼ばずに、キャグ (CAG/Combat Application Group)と呼ばれているのと似た感じですね。
特に現場の兵士たちで使用される言葉では、様々な呼称・略語を使用するので、会話する際には注意していないと、何のことだかわからなくなってしまいます。
5.CRF存続の危機
今年の初めに、CRFを解体しようとする話が、エスパー前国防長官からありましたが、ミリー統合参謀本部議長がCRFの必要性等を訴え、今のところ解体されることはないようです。
エスパー氏は解任され、以前の記事にも書きましたが、国防長官代行は現在、特殊部隊出身のミラー氏となっています。
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ちなみに、ミリー統合参謀本部議長も特殊部隊出身の将軍です。
先日、Army Navy game(アメリカン・フットボールの試合)に大統領と共に出席していましたが、グリーンベレーをかぶっていましたね。
動画では、奥にミラー国防長官代行、手前にミリー統合参謀本部議長が映っています。
米国の軍事、安全保障に関わる主要な役職に特殊部隊出身者が任命されているところを見ると、自分の直接的な知り合いではありませんが、非常に誇らしく思いますし、頑張っていただきたいと思ってしまいます。
記事の内容は、いつも思いつきや、話題になっている事柄から関連させて書いていますが、もし読者の皆さんが知りたい内容等が有れば、コメント等いただけると、内容によっては書ける事もあると思いますので、ありがたいです。
今回も、ありがとうございました。