特殊作戦群を理解するためのヒント(出版物編)#2
どうも、中途退職自衛官です。
今回は、特殊作戦群を理解するためのヒント、出版物編の第2回目です。
「Chosen Soldier」と言う本です。
ネットで日本語版が出ていないか検索してみたら、Da Pumpの曲が同じ名前らしく、その曲のことばかり出てきました。
そんな曲歌ってたんですね。
すみません。まったく関係ありませんね。
目 次
- 著 者
- 発売された年
- 内 容
- Tim Kennedy
- まとめ
1.著 者
著者はDick Couchという方で、軍隊や特殊部隊のノンフィクション、ノンフィクションを書かれている作家の方です。
著者の代表作は、ノンフィクションだと「Finishing School」「The Warrior Elite」、フィクションだと「Seal Team One」など、シールズに関連する著書が多いです。
その理由は、著者自身が米海軍士官学校卒業、シールズとして従軍、退役後はケースオフィサーとしてCIAで仕事をしています。
すごい経歴です。
日本ではありえませんが、アメリカや海外だと、軍隊出身者が情報機関や他省庁で勤務することは珍しくありません。
著者はシールズについて多く本を書いていますが、今回紹介する本は、海軍特殊部隊シールズではなく、陸軍特殊部隊グリーンベレーについて書かれたものです。
2.発売された年
「Chosen Soldier」が発売されたのは2007年です。
ちょうど13年くらい前ですね。
自分はこの本をアメリカの本屋でみつけて、内容が陸軍特殊部隊の概要、グリーンベレーのセレクションからQコース(資格課程)について書かれていたため、自分にとって知っている語彙も多く、読みやすかったため購入しました。
購入した当時は、まだペーパーバッグで発売されていなかったため、少し大きくて重いですが、ハードカバー版を購入しました。
3.内 容
本の内容ですが、大まかに8つのチャプターに分かれており、以下のような内容になっています。
Chapter1 Special Forces 101
陸軍特殊部隊についての歴史や基礎知識が書かれており、グリーンベレーを知らない人にも理解できるように、その概要が書かれています。
Chapter2 Recruiting Unconventional
どのような隊員がセレクションを受けているのかが書かれています。
Chapter3 The Preparation
セレクション前のプレ(準備)コースや、受験生のバックグラウンドについて書かれています。
Chapter4 The Selection
セレクションの様子についてです。
Chapter5 Special Forces Tactics
Qコースで行われる、SUT(Small Unit Tactics)フェーズについてです。
Chapter6 The 18 Series
下士官の特技コースについてです。特殊部隊のMOS(特技)コードが数字の18から始まるため、18シリーズと呼ばれます。
Chapter7 The Detachment Commander
ODA(Operational Detachment A/A Team)Commander(チーム長)の課程についてです。通常の米軍や自衛隊の小隊長(Platoon Leader)とは違い、彼らは指揮官(Commander)と呼ばれます。
Chapter8 Robin Sage
Qコース最後のシナリオ演習「ロビン・セージ」についてです。
特にこの本では、以前紹介したトム・クランシーの本とは違い、「18X」(エイティーン・エックスレイ)と呼ばれる、ダイレクトに特殊部隊員へなるため陸軍へリクルートされてきた隊員についてよく書かれています。
4.Tim Kennedy
特殊部隊に詳しい人や、格闘技、特にMMAやUFC等が好きな人はご存じかもしてませんが、陸軍隊員、特殊部隊員としてUFCに出場していたTim Kennedyがこの本の中に出てきます。
一応、気を使ったのか、Tom Kendallというカバーの名前で書いてありますが、写真も掲載されているため、本人だとわかります。
調べてみると、本人もTwitterの動画で紹介していますね。
5.まとめ
もう13年前の本になりますが、内容は米国陸軍特殊部隊(歴史、編成等)についてわかりやすく書いてあると思います。
日本語になっていないので、残念ですが、化学や心理学等の学術論文とは違い、少々軍事の英語を知っていれば、少しずつでも読める内容だと思います。
日本にはあまり特殊作戦部隊について、ノンフィクションとして書れた本はありませんが、海外にはこのような本が多くあります。
また、今後少しずつ紹介していこうと思います。
ありがとうございました。