選考検査・セレクションを受験するための準備
こんにちは。
中途退職自衛官です。
昨年の記事になりますが、Crisis Response Forces (CRF) / 危機対応部隊の記事を書いた際に、特殊作戦群の選考検査受験予定者の方から、選考検査に向けての体力錬成(トレーニング)について質問がありました。
実際の質問の内容はこちらからどうぞ。
retiredoperator.hatenablog.com
この質問に関しては、質問者の方に直接メールで回答いたしましたが、今回は選考検査受験、または特殊作戦部隊隊員となるためのトレーニングについて書こうと思います。
目 次
- 選考検査(セレクション)とは
- トレーニング
- 一番大切な事
1.選考検査(セレクション)とは
受験者にとって、選考検査・セレクションがどうようなものであるか知る、また(勝手な妄想ではない)イメージがあることは重要だと思います。
選考検査によって受検者の何を検査・評価しているのか、どのように検査・評価が行われるのかを知らなければ、準備ができませんし、一生懸命トレーニングしても、求められている能力でなければ、努力が無駄になってしまうからです。
自分は選考検査が「どのように行われるか」、「どのようなものなのか」を直接的に述べるつもりはありませんが、今回はそれらをイメージするためのヒントを書いていこうと思います。
受験予定者の方の中には、過去の受験者から「どのような検査が行われていたか」等の情報を得られることもあると思います。このような、過去に実際受験した方からの情報もイメージする上でのヒントとはなりますが、受験者それぞれの印象や記憶は様々なので、あまり鵜呑みにすることはお勧めしません。
イメージする上でヒントとなるのは、海外の特殊作戦部隊がどのようにして隊員を選考しているかを知ることでイメージしやすくなると思います。
カリフォルニア州のナショナルガードがYoutube上にGreen Beretのセレクション動画(10年以上前のディスカバリーチャンネルのもの)を挙げていますが、選考検査をイメージする為にはいい動画だと思います。
チャンネル上に10分程度の動画が9本挙がっていますので、全く同じ検査内容ではありませんが、どんな事が受検者に求められているか等、参考になる部分もあると思います。
以下の動画は、オーストラリアのコマンドー連隊のセレクションの動画です。
この動画の中でも、セレクションの様子、なぜこのようなセレクションをするのか、どのような隊員を求めているのかが語られています。
2.トレーニング
では、実際どのようなトレーニングが必要なのでしょうか。
自分は直接的に「このようなイベントがあるから、こんなトレーニングをした方がいい」とは、言いません。
ですが、参考となる動画があったので、以下に挙げておきます。
この動画で言われていることが全てではありませんが、「重い荷物を背負って歩く」ことに関して、非常に参考になると思います。
レンジャー課程でも、重い背嚢(バックパック)を背負って歩くため、レンジャーを目指す方にも効果はあるのではないかと思います。
歩くこと以外にも、準備することはあると思いますが、海外のセレクションを見てイメージは出来たと思いますので、何かに偏ることなく、バランス良く鍛えてください。
個人的には、弱点を克服したほうが良いと思います。
3.一番大切な事
選考検査、セレクションに対する準備をするにあたって、大切なことは「怪我をしないこと」です。
怪我をしてしまうと、トレーニングをできなくなってしまう事はもちろんのこと、大きな怪我は、その後の生活や人生に大きく影響します。
また、怪我をしない意識、コツ(防ぎ方)は、能力や個人特性のひとつであり、兵隊として必要な能力であると、自分は考えています。
いくら身体的な能力が高い人であっても、いつも怪我をしている人はその能力を発揮する機会を失ってしまいますし、特に特殊作戦の任務においては、個人、または小部隊で行動するため、怪我をしやすい隊員は作戦遂行にも影響を与える可能性があります。
怪我をしないためにも、現在の自分の能力や体力を見極め、自分の限界を少し超えるようなトレーニングを継続しなければ、成長し続けることはできないでしょう。
筋トレにたとえると、40kgしか上げられない人が、いきなり必要だからと言って、100kgを上げることはできませんよね?まずは60,70,80,90kgと、段階的に上げないと、目標は達成できないと思います。
現在持っている個人の体力によりますが、最低でも半年から1年程度はトレーニングが必要になると思います。
もうすぐ5月ですので、既に前期の選考検査は始まっているかもしれませんが、今後受験を希望される方は、半年から1年後を見据えたトレーニングと準備をすることをお勧めします。
選考検査に限らず、ご質問等あれば、コメント等よろしくお願いします。
ありがとうございました。