特殊作戦群を理解するためのヒント(出版物編)#1
こんにちは。仕事と学業に追われ、なかなか記事がアップできない中途退職自衛官です。
前回は「特殊作戦群って?」というテーマで、特殊作戦群に関する公式な情報、自分の経験から特殊作戦群を理解するためのヒントについて書きました。
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今回はさらに特殊作戦群、または特殊作戦を理解するためのヒントを紹介したいと思います。
概要、一般的な情報にはなりますが、特殊作戦群を多くの方に理解していただき、特殊作戦群への勤務志願者、陸上自衛隊への入隊希望者が増えることを願っています。
今回の目次です。
- 初代群長の著書
- 「瀕死のライオン」
- トム・クランシーの著書
1. 初代群長の著書
部隊に関する情報を直接書くことはできませんが、以前にも述べたように世の中にはヒントとなるような情報が存在します。
インターネットの情報以外にも本として、特殊作戦、または特殊作戦群について紹介されています。
特殊作戦群について、直接的に書かれている出版物としては、初代群長が書かれたいくつかの著書が挙げられます。
この本は初代群長の荒谷卓氏が自衛隊を退職されたあと、明治神宮至誠館館長をされている時に書かれたものです。
本の内容ですが、著書として出版する際に、一般の方向けに新たに書かれた部分がありますが、実際に自分が本を読んでみるとその内容は、自分たちが群長の精神教育で受けた内容がそのまま記されている部分が多くありました。
荒谷群長が精神教育で配られた紙の資料を未だ保管していますが、その内容はほぼこの本の中に書かれています。
また、初代群長として、どのような想いで日本に新たな部隊を創られたのかが書かれています。
特殊作戦隊員でなくとも、自衛隊員としてどうあるべきか、日本人としてどうあるべきかということを考えるきっかけになるかもしれません。
2.「瀕死のライオン」
所属していた方の著書ではありませんが、麻生幾氏の「瀕死のライオン」です。
麻生氏は「外事警察」「宣戦布告」等、映画やドラマ化された小説でも有名です。
内容はフィクションですが、実際に取材もされており、著書の世界観は(現実ではありませんが)良いヒントになると思います。
主人公以外の登場する人物には、実際に存在するモデルがおり、その描写を読んでいると「この登場人物は、実際にいた個別の隊員の、どの隊員ことを書いている」ということが(自分には)判ります。
フィクションの作品ですが、特殊作戦の世界観や、実際の隊員に関係する内容が書かれているので、すべてが想像や憶測で書かれた作品とは全く違います。
自分は「瀕死のライオン」を持っていましたが、人にあげてしまったため、現在は持っていませんが、また読んでみようと思っています。
3.トム・クランシーの著書
既に紹介した、荒谷群長の著書には米国陸軍特殊部隊(グリーンベレー)への留学の話が出てきます。
日本の同盟国であるアメリカの特殊部隊は、日本の特殊部隊に大きな影響を与えています。
その米国陸軍特殊作戦部隊を理解することは、自衛隊の特殊作戦部隊を理解する多大なヒントになります。
日本では少ないですが、海外には多くの特殊作戦部隊に関する著書が出版されています。
日本語に訳されたもので、米国陸軍特殊部隊の概要と資格課程の内容が書かれたものが、トム・クランシー氏の著書になります。
なぜか日本での題名が「素顔のスペシャル・フォース」。自分的には「素顔の」はいらないですね。
「レッドオクトーバーを追え」や「パトリオット・ゲーム」等の有名な映画の原作を書いているトム・クランシー氏が、グリーンベレーを取材して書いています。
任務、部隊編成、各特殊部隊員の役割等が書いてあり、理解しやすいと思います。
ちなみに写真に写っているものはアメリカ版で、上下巻はなく、1冊で購入できます。
英語が大丈夫な方には、英語版をお勧めします。(今はコロナで無理ですが)アメリカに行かれる方は「Half-price Books」等の本屋だと、より安く買えます。
とりあえず、今回の情報やヒントとなる出版物紹介は以上の3つで終了したいと思います。今後、日本語に翻訳されていないものも含めて、また紹介していきたいと思います。
ありがとうございました。